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脳科学から見た!英語を話せるようにする正攻法

今回は、日本人が良く陥りがちな、正しい文法を意識することがどのように話すことを阻害しているかをご説明します。
まず最初に人間の脳の働きの基本的なことを確認した上で、文法を意識していると何故話せなくなってしまっているかをご説明します。
脳の働きをご理解いただいた上で、最後に外国語を話せるようになるための正当な方法をご説明します。

脳科学から見た、文法を意識すると話せなくなる理由

①人間の脳の機能の制限

②文法を意識する時に起きていること

③文法を意識せずに話す方法

①人間の脳の機能の制限

本題に入る前に、そもそも人間の脳がどのような制約を前提に働いているかをご説明いたします。
非常にシンプルなことなのですが、人間の脳は1度に2つのことを考えることができない仕組みになっています。
もしかすると、周りに非常に仕事の早い方がいて、沢山のことを同時にこなしているかのように感じた経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、どんな人間も共通して一時点では一つのことしか考えられないのです。
短い時間で沢山のことをこなせる優秀な方がいらっしゃったとしても、その方は一つ一つのことを短い時間で処理しているだけであり、複数のことを同時に考えて処理しているわけではないのです。

このことについて、米Entrepreneurの記事で、『SINGLE TASK』の著者デヴォラ・ザック氏の意見が紹介されています。

「みなさんがマルチタスクと呼んでいるものは、神経科学者の言うところのタスク・スイッチングです。(2つを同時に考えているのではなく)複数のタスクを短時間で行き来しているのです」

まだ納得できない方がいらっしゃるかもしれませんので、一つお題を提示させていただきたいと思います。
最初に、昨日食べた朝食のメニューを思い出してください。
朝食を食べてないという方は、昼食でも夕食でも結構です。食べたものを頭にイメージしてみてください。
食べたものをイメージした上で、その料理を作る過程を想像してみてください。

料理を作る過程を考えながら、以下の数式の計算に取り組んでください。
両方同時にですよ。
3,572 + 2, 218

いかがでしたでしょうか。もしかすると瞬時に計算結果を導き出せた方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、そのような方であっても、先ほどの足し算をしている一瞬の間は、料理を作る過程について考えるプロセスは停止していたのではないでしょうか。

このように、人間の脳は必ず一時点では一つのことしか考えられないようにできています。

さらに、先ほどのザック氏によると、タスク・スイッチングは生産性を40%も低下させるだけでなく、脳が収縮する原因になると指摘しています。
短時間に高速でスイッチを切り替えようとすると「脳がオーバーロードし、脳内の灰白質が収縮する」と言っています。

②文法を意識する時に起きていること

上記をご理解いただいた上で、文法を意識して英語を話すということがどういう事かご説明いたします。
人が誰かとコミュニケーションを取ろうと思った場合、何かしら伝えたい内容を頭に思い浮かべているはずです。
分かり易いように、先程と同じく、自分が食べた食事の作り方を説明しようとしているとします。

さて、この時文法的に正しい英語はどうすれば良いのだろうと考え始めたら、何が起きるでしょうか。
勘の良い方はお気づきかもしれません。

そうです。先程料理の仕方を想像しながら、4桁の計算をしていただいたのと同じことが起きるのです。
つまり、文法のことを考え始めた瞬間に、そもそも話したかった料理の内容については考えることができなくなるのです。

英語を話す時に文法を意識するということはこういうことなのです。つまり、文法をいくら勉強しても、決して話せるようにはなりません。
話せるようにならないばかりか、一生懸命自分の頭をフル回転させて、文法のことばかり考えるので、そもそも話したい内容が分からなくなってしまいます。

もしかすると、初めてこの内容をお読みになった方にとっては信じられない内容かもしれません。
ただ、これが本当のことであることを体験していただく方法が一つあります。
日本語で同じことをやってみれば良いのです。

日本語初心者の外国人が目の前にいると想像して、目玉焼きでもスクランブルエッグでも何でも良いので、何かの料理の作り方を日本語で説明をしようとしてみてください。
ただし、目の前の外国人は、日本語初心者ですので、簡単で完璧に正しい日本語でないと理解できない前提で話してみてください。

どうでしょうか。うまく日本語を話せない状態を体験していただけたのではないでしょうか。
日本語ですらできないことを、母国語でもない英語でできるわけがないですよね。

また、冒頭の項目でご説明した通り、外国語を話す際にタスクスイッチングを常に行ってしまうと、脳に悪影響さえ与えてしまうのです。

頑張って英語を「勉強」することは、英語を話せるようになる近道にはならず、脳に悪影響さえ与えてしまう可能性のある方法なのです。

③文法を意識せずに話す方法

ここまでのご説明を通して、英語を「勉強」することで話せるようになろうとすることがどれだけ非効率で危険かという共通理解が得られたところで、この項目では、どうすれば話せるようになるのかをご説明します。

結論として、料理の説明をするときは料理のこと以外考えてはいけません。文法をどうしようとか、こういう時は”the”が正しいのか、”a”が正しいのか、といったことは考えてはいけないのです。

つまり、考えずに口が動く状態に持っていく必要があります。
そんなことができるのかと思われるかもしれませんが、それはこれまでの日本の英語教育の悪影響としか言えません。
考えずに口を動かす。つまりは、知識を蓄えて考えながら結論を出すのではなく、体で覚える状態に持っていく必要があります。

これは、スポーツや楽器を身につけるのと同じ考え方です。
日本では、英語の授業は数学や歴史、音楽と並べて勉強してきました。読み書きすることができるようになるという観点では、この考え方は間違いではありません。
ただし、話す力を身につけるためには、このようなアプローチでは決して効果は出ません。

話す力を身につけるためには、体育や美術、音楽の授業のように練習あるのみです。
若干の才能の差はあるかもしれませんが、間違いなく練習すればするほど、英会話は「上手」になります。

英会話を勉強して身につけることは決して行うべきことではありません。
英語を話せるようになるためには、「話す」練習に沢山取り組むしかないのです。

残念ながら、話せるようになるにあたって、「あっという間に」とか「簡単に」実現できる魔法の方法はありません。
実直に練習すればするほど上達します。
練習の量は嘘をつきません。

習うのではなく、練習です。
練習には二つの方法があります。基礎トレーニングと実践トレーニングです。
基礎トレーニングは、スポーツと同じように、その言語を使うための基礎的な力を身につけるため、日々繰り返しここで行うトレーニングです。
このトレーニングにおいては、話す相手は必要ありません。
日々コツコツと正しい英語を話す練習を行うことが必要となります。

実践トレーニングは、スポーツで例えると試合勘を身につけるトレーニングです。
英語で言うと試合勘を身につけるために必要なことは、外国人と話すことです。
外国人と話す機会を沢山持つことによって、試合勘も徐々に身につけることができるようになります。

是非とも英会話においても基礎トレーニングと実践トレーニングを組合わせた「練習」を通して、話す際は話す内容のみを考えて話せるようになってください。
人間の脳はシングルタスクでしか機能しないのですから。