英会話の定番の挨拶、 ”How are you?”
つい、なんて返事しようか考えすぎて、困ったことはありませんか?
SNSで流れてきてつい見てしまう、YouTubeやTiktok等の英語関連動画に惑わされて、結局返事に迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
でも、実はとてもシンプル!
“I’m fine.”の一択で良いのです。
今回は、その理由についてお話します。
もくじ
SNS動画を鵜呑みにしてはいけない
巷にあふれる「ネイティブはこう言う」系の動画やブログ。
「”How are you?” と聞かれたら、“I’m fine.”では味気ないので、こんな言い回しを覚えましょう!」といった内容のものをよく見かけます。
言い回しの例としては、
“I’m good.”
“I’m excellent.”
“Not bad.”
“So so.”
“As usual.”
など様々です。
「へーそうなんだ!」と真似してみたい気持ちになります。
でも、ちょっと待ってください!
それらをすべて鵜呑みにするのは、実は危ないんです。
バリエーションが多すぎて口が動かない!
たくさん覚えてバリエーションが増えるほどに、英語を話すハードルが高くなる可能性があります。
理由は、『その場に合わせて適切な表現を選ぶ』という難しい作業が発生するからです。
“I’m fine.”以外にたくさんの表現の中から、その場に応じたものを選ばなくてはいけません。
“Not bad.”はカジュアルすぎる? 実はそんなに元気ではないけど、ネガティブな返事をして理由を聞かれたら何て説明すればいいんだろう・・・。初対面の場合は何て言うんだっけ?
そんなことを考えている間に、黙りこんでしまうと、挨拶を無視しているように見え、印象が悪くなってしまいます。
“I’m fine”の一択でOK
“How are you?” の返事の仕方をたくさん覚える必要はありません。
私たち日本人が使う回答は、”I’m fine.”の一択で問題ないのです。
これを使っている限り、絶対に失礼にはなりません。むしろ、頭で考える作業をひとつ飛ばすことができ、会話をスムーズに進めることができます。
そもそも、そういった返事は、微妙なニュアンスの違いです。
ノンネイティブな私たちが微妙なニュアンスまで使い分けする必要はありません。
様々な言い回しを覚えてしまうと、いざというとき頭をフル回転することになり、考え込んでしまい、結果、会話になりません。
ビジネスの場面でも使える英会話力を目指しているならなおのこと。
下手に、”Good.”なんて気楽に返すと、場面によっては失礼にあたることも。
なによりも、適切に返そうなんて考えてしまって、数秒でも考え込んでしまった方が大事故になり得ます。
気楽にあいさつ代わりに「お元気ですか?」って聞いただけなのに、相手が数秒考えこんでしまったりしたら、会話としてはそっちのほうがよっぽど不自然です。
“How are you?”と聞かれたら、反射的に”I’m fine.”と口に出すことの方がよっぽど価値があるのです。
そもそも「ネイティブ」とは
そもそも、ネイティブスピーカーとは、その言語を母国語として使いこなしている人のこと。
アメリカ人はアメリカ英語のネイティブスピーカーですし、私たちは日本語のネイティブスピーカーです。
私たちには母国語として日本語があり、英語の母国語レベルを目指す必要がそもそもないのです。
非ネイティブが、英語での生活の中で、瞬時に最適な返答をするのは難しいです。
逆に、英語のネイティブスピーカーが、動画で紹介されているようにたくさんのパターンを使い分けているのは、当然のこと。
私たちは、英語ネイティブが使うバラエティ豊かな表現を使いこなすことを目指さなくてもいいのです。
あくまで、その言語のネイティブスピーカーが、どういう言葉を使っているかという話です。
そう考えると、参考程度にとどめておこうという気持ちになりませんか?
私たちは、英語のネイティブスピーカーを目指しているのではなく、英語でコミュニケーションを取ることを目的としています。
ですから、表面だけネイティブスピーカーの真似をしても、私たちの力にはなりません。
英語はワンパターンでいい!
今回は、How are you?を例にお伝えさせていただきましたが、実はYoutubeやSNS上には今回と同じような投稿が溢れています。
しかしそこには、ネイティブだからこそできる、微妙なニュアンスによる使い分け等が多く含まれています。
実際のところ、私たち日本人が日本語を使い分けているのと同じことを、英語でもしようとするのは、ほぼ無理なことです。
それこそ、生まれながらアメリカで育ち、骨の髄まで英語が浸み込むくらいにできていなければ、これまで何十年も日本語の中で生きてきたのと同じレベルで、英語を吸収することは現実的ではありません。
英語(特に会話において)は、伝えるためのツールという意識を持つことが重要です。
100%正しく伝えることを目指すのではなく、だいたい伝わればOK、と考えてみてはいかがでしょうか。
何年間も学校で点数をつけられ続けた私たち日本人にとって、100点を目指さないというのはとても居心地の悪いことかもしれませんが、この意識こそが英会話上達のポイントとも言えます。
ワンパターン覚えるなら、丁寧な表現を!
このように、同じような意味を持つ表現を沢山使い分けるのではなく、たったひとつの表現をスムーズに使えるようになることの方が、会話においてはとても大切です。
そして、たったひとつ覚えるなら、汎用性がある丁寧な表現を覚えましょう。
そうすれば、ビジネスの場でも友人との会話でも、躊躇せずに英語を口にすることができます。
フランクな英語表現にこだわらなくても、親密な関係を築くことは可能です。
YouTubeなどでは、若者言葉やスラングを教える動画が多くあります。
特に若い人たちは、スラングを言うのがかっこいい、と考える人が多いです。
しかし、若者言葉やスラングは、TPOを間違えると、相手に不愉快な思いをさせてしまいます。
きちんとした丁寧な英語を使えて初めて、カジュアルな表現を使うことができるのです。
そう考えると、まずは丁寧な表現で一通り自分の言いたいことを表現できるようにすることが大切、ということが見えてきますね。
“I’m fine.”は相手が初対面の場合でも、ビジネスの場でも、友達同士でも使うことができます。
ワンパターンだけを体に叩き込む
さて、ここで一番重要なポイントです。何のために、決まったフレーズだけ覚えるのでしょうか。
それは、反射的に英語が口から出てくることが重要だからです。
決まった単語やフレーズを口に出して練習し、反射的に口から出てくるようにならなければ、実際の英会話では使えません。
会話において、沈黙は致命傷になります。
つまり、反射的に言葉が出てこないと、相手はあなたの言葉に興味を持たなくなってしまいますし、とても会話がしずらくなってしまいます。
スムーズな会話の肝となる、スピードを身に着けるためには、ワンパターンだけで良いので、体に叩き込んでいくことが効果的です。
LATの反射復唱法トレーニング
LATでは、レッスンとは別に、反射復唱法トレーニングを毎日行っていただきます。
これは、日本語を聞いた瞬間、対応する英語を口に出すトレーニングです。
一つの日本語文に対して、一つの英文が対応しており、まさに決まった単語やフレーズを反射的に口にするトレーニングとしては最適です。
スポーツ選手のように、会話の中で反射的に口が動くように、日々唱え、そして毎日のレッスン内で、コーチと会話をする中で実践し、体に覚えさせていきます。
英文を丸暗記したからといって、本当に実際の英会話で使えるのか、不安に思う方もいらっしゃるでしょうが、ご心配無用です。
まずは基本の型を徹底して身体に染み込ませる。その上で単語や時制を置き換えることができるようになる。そして様々な場面でも勝手に使えるようになっていくのです。そして何よりも、話せているという強烈な実感により、英語が楽しくなってくるのです。
まとめ
いかがでしたか。
“How are you?” に対して、”I’m fine.”で良い理由をわかっていただけましたでしょうか?
様々な英語表現を覚えて、その都度言い回しを考えていたら、英語の会話のスピードにはついていけません。
まずは言いたいことをパッと口に出すためには、「頭で考える」という作業を一旦スキップしましょう。
これがしっかり定着すれば、単語を置き換えたり時制を変えたり、少しずつ応用させていくことができるようになります。
そのためには、口が英語を話す準備をできていなくてはいけません。
ぜひ、LATの反射復唱法トレーニングで一緒に練習しましょう!
コメント