外国人と話そうとしたとき、こんな経験はありませんか?
話しかけられた瞬間、
- 日本語で答えを考える
- 頭の中で英語に翻訳する
- 文法が合っているか確認する
こうして頭をフル回転させているうちに、会話のタイミングを逃し、不自然な沈黙が流れてしまう。これこそが、多くの日本人が英会話で苦労する最大の原因です。
ズバリ結論から言うと、その原因は「英語を日本語に翻訳して理解しようとしている」ことにあります。
英語をスムーズに話せる人は、英語を日本語に翻訳していません。英語を英語のまま理解し、英語のままアウトプットしています。この状態を「英語脳」と呼びます。
私自身、かつては日本IBMという外資系企業に勤め、TOEICで730点を取得しながらも、ニューヨークに行った際にはファストフード店でまともに注文すらできないほど英語が話せず、「自分には才能がない」と諦めかけていた時期がありました。しかし、あるきっかけで、英語脳を鍛えるトレーニングができたことで、今では英語のまま理解しアウトプットもできるようになりました。
この記事では、私の著書『英会話は9割が身体能力』でお伝えしているメソッドをベースに、
- 英語脳とは一体どのような状態なのか
- なぜ日本人は英語を翻訳してしまい、パニックになるのか
- 従来の「英語の勉強」や「ロールプレイ」が通用しない理由
- 確実に「英語脳」を作るための具体的なトレーニング方法
について、具体例を交えながら、分かりやすく解説します。本気で英語を話せるようになりたい方は、ぜひ最後までお読みください。
英語脳とは?(脳科学的アプローチから解説)
英語脳とは、「英語を日本語に翻訳せず理解し、英語のまま考える状態」のことです。
例えば、”Thank you.”(ありがとう)と言われたとき、あなたはいちいち「Thankは感謝するという意味で目的語がYouだから…」といった理解をしていますか? おそらく、そのままの意味を感覚で理解できているはずです。
英語を話せる人は、どんな会話においても頭の中でこのような処理をしています。
- 英語を聞く → そのまま理解する → 英語で返答する
しかし、多くの日本人は、
- 英語を聞く → 日本語に翻訳する → 日本語で返答を考える → 英語に翻訳する → 口に出す
という複雑なプロセスを経ています。
脳の「シングルタスク性」が会話を止める
なぜ翻訳しようとすると言葉に詰まるのでしょうか。それは「人間の脳はシングルタスクでしか働かない」という特性があるからです。二つのことを同時に処理しようとすると、脳はそれを行ったり来たりする「スイッチング」と呼ばれる状態になります。
会話中、「この単語で合っているか」「過去形にするべきか」と頭の中で知識を引き出そうとした瞬間、会話の内容自体に集中できなくなります。頭の中がスイッチングの嵐になり、言葉が出てこなくなるのです。
英語脳は「自転車に乗る感覚」と同じ
一方で、自転車に乗りながら別のことを考えることはできます。これは、ペダルを漕ぐ動作を「頭(知力)」ではなく「感覚(身体能力)」で行っているからです。
英語脳も同じです。英語の知識を頭で考えるのではなく、英語自体を感覚で処理し、話す内容そのものに集中できている状態こそが、英語脳ができあがっている状態なのです。
英語脳を作るうえで大前提になるのが、英語を「知識」ではなく「身体能力」として捉えることです。英語を話せるようになるための全体像については、以下の記事で詳しく解説しています。
英語を話せるようになるには?知識ではなく身体能力を鍛える正しい学習法
なぜ日本人は英語脳を作れないのか?(原因分析)
では、なぜ私たちは長年英語を学んできたのに、英語脳を作れなかったのでしょうか。その最大の原因は、学校教育や一般的な英会話スクールが「読み書き英語」と「話す英語」の違いを明確に区別していないことにあります。
「読み書き英語」と「話す英語」の決定的な違い
「読み書き」と「会話」は、同じ英語でも全く異なるスキルです。
読み書きは「1Way(一方通行)」のコミュニケーションです。メール作成のように途中で作業を中断しても問題なく、後から記録に残るため、スピードよりも「正確性」が求められます。私たちが学校で鍛えてきたのはこのスキルです。
一方、会話は「2Way(双方向)」のコミュニケーションです。相手がいて言葉のキャッチボールをしている状態なので、正確であろうとして不自然な沈黙が生まれてしまうと、会話が成立しません。会話において最も重要なのは「スピード(時間)」です。
つまり、読み書きは「正確さ>スピード」、会話は「スピード>正確さ」という対極のスキルなのです。それなのに、読み書きと同じアプローチで英会話を学ぼうとするため、いつまでも話せないのです。
「英語でスピーチ」は会話力ではない
よく英会話スクールで「スピーチコンテスト」が開催され、「スピーチが上手くなりました!」という声が上がります。しかし、スピーチは会話のスキルではなく、読み書きのスキルに分類されます。
なぜなら、スピーチは一方通行のコミュニケーションであり、あらかじめ正確に作成した文章を丸暗記して発表すれば成立するからです。そこには、相手の言葉に瞬時に反応する「身体能力」は必要ありません。スピーチが上手いことと、自然な会話(キャッチボール)ができることは全く別物だと認識する必要があります。
英語脳がないと英会話が難しい理由(具体例)
英語脳(翻訳せずに英語のまま処理する力)がないまま会話に臨むと、様々な弊害が生じます。
失敗を恐れる「完璧主義」が言葉を奪う
多くの日本人は英語に対する知識は豊富ですが、「間違えたくない」「綺麗な発音で話さないと恥ずかしい」と失敗を極端に恐れます。「完璧な英語を話せるようになってから」と思っているうちは、未来永劫話せるようにはなりません。
日本語を一生懸命話す外国人を思い浮かべてみてください。アクセントが変でも、てにをはが間違っていても、彼らは気にせず堂々と話しかけてきますよね。そして、私たちはその間違いを笑うのではなく、一生懸命意図を汲み取ろうとするはずです。彼らは間違えながらもアウトプットを続けるからこそ、どんどん上達します。私たち日本人も、「間違えて当然」というマインドを持つことが英語脳を作る第一歩です。
表面的な英語ノウハウに振り回されないことが大切
最近はYouTubeやSNSで手軽に英語の知識を得られますが、これが逆効果になることもあります。
例えば、「”I’m fine.”は間違いで”I’m good.”が正解」といった動画を見て表面的なノウハウばかりを蓄積すると、会話の中で「正しい言葉を使わなきゃ」と悩み、不自然な沈黙を作ってしまいます。
細かいニュアンスを気にして言葉に詰まるくらいなら、間違った英語でも即答する方が、コミュニケーションとしてはずっと自然で楽しいものになります。失敗を恐れず、まずはテンポ良く言葉のキャッチボールをすることが、英語脳への近道なのです。
英語脳を作るための基礎知識(マインドセット)
では、どうすれば英語脳を作ることができるのでしょうか。根本的な考え方をアップデートする必要があります。
英会話は「知力」ではなく「身体能力」
英語脳を作るために最も重要なマインドセット、それは「英会話は知力(知識)ではなく、身体能力である」と理解することです。
プロ野球選手を目指す人が、「野球が上手くなる方法」という本を何百冊も読んでバットの振る角度の理論を学んだとしても、実際にグラウンドに出てボールを打てるようにはなりません。素振りや筋力トレーニングといった「身体」を鍛える練習をしなければ、ホームランは打てません。
しかし、英語学習において多くの日本人は、机に向かって文法書を開き、単語帳を暗記するという「理論の勉強」ばかりを続けています。これこそが、多くの時間を費やしても英語を話せる日本人が少ない根本的な原因です。
基礎トレーニングと実践トレーニングの両輪
スポーツで実力をつけるためには、以下の2つのトレーニングが必要です。
- 基礎トレーニング(素振り・筋トレ):体の基本的な動作や体力を養う
- 実践トレーニング(練習試合):実際の試合の感覚を掴み、相手との駆け引きを学ぶ
英会話も全く同じです。
英会話における基礎トレーニングとは、大きな声で何度も繰り返し口を動かし、口の周りの筋肉が筋肉痛になるくらい「英語表現を口に覚えさせる」ことです。
そして実践トレーニングとは、実際に外国人相手に会話をし、失敗を恐れないメンタルを鍛え、会話の感覚を掴むことです。この両輪を回すことで初めて、英語が身体能力として定着します。
正しい目標設定と「現在地」の把握
英会話のトレーニングを始める際、いきなり「ネイティブのようにペラペラになってビジネスで大活躍する」といった高すぎる目標(フルマラソンを4時間で完走するような目標)を掲げると、挫折しやすくなります。
スタート時点で1kmも走れなかった人が、3ヶ月後に3km走れるようになったとき、「まだ残り39kmもある」と絶望するのではなく、「3kmも走れるようになった!」と成長を実感することが大切です。
そのためには、まず「自分のスタート地点(現在地)」を記録しておくことをおすすめします。テスト対策の勉強をせずにTOEICを受けてスコアを残しておいたり、海外旅行での悔しかった経験(チェックインで手間取った等)をメモしておきましょう。後で振り返ったときに、確実な成長を実感でき、モチベーションを維持する強力な武器になります。
英語脳を作るための具体的なトレーニング方法
マインドセットが整ったら、具体的なトレーニングステップに進みます。英語を習得するためのロードマップは以下の3ステップです。
- STEP1:理解(英語を読んで意味がわかる)
- STEP2:反射(日本語を介さず、英語を反射的に口に出せる)
- STEP3:実践(実際の会話の中で使える)
日本の学校教育を受けた大半の方は、「I went to the station to meet my friend.(友達に会うために駅に行った)」という文章を読んで理解できます。少なくともこの文章を読んで理解できた人は、すでにSTEP1はクリアしています。問題は、STEP2の「反射」を飛ばして、いきなり会話の場に出ようとすることです。
もし「英語学習そのものを何から始めればよいのか分からない」という方は、まず全体のロードマップを整理するのがおすすめです。初心者向けの学習の進め方については、以下の記事で詳しく解説しています。
インプットより「アウトプット中心の環境」を作る
英語を流暢に話せるようになった人たちに「どうやって話せるようになったのか?」と聞くと、「英会話スクールで猛勉強した」という人はほぼ皆無です。共通しているのは、海外留学や外国人ばかりの職場など「毎日英語を話さざるを得ない環境に身を置いていた」ということです。
つまり、単語や文法をインプットするのではなく、間違えても恥をかいても、毎日口を動かしてアウトプットし続けた人だけが、英語脳を手に入れています。日本にいながら英語脳を作るには、この「話さざるを得ないアウトプット環境」を自ら作り出すしかありません。
英語脳を作ることと、実際にスピーキング力を伸ばすことは表裏一体です。英語を最短で話せるようになるための具体的なトレーニング方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
英語スピーキングを上達させる方法|最短で話せるようになるトレーニング
実践練習での「ロールプレイの落とし穴」
アウトプット環境として英会話スクールに通う際、注意すべきなのが「ロールプレイの落とし穴」です。
決まったテキストを読み上げるロールプレイは、会話の練習ではなく、中学校以来得意としてきた「音読」をしているに過ぎません。実際の会話にスクリプトは現れず、相手の返答も状況によって何通りもあります。型にはまったスクリプトを読み上げるだけの練習では、とっさの対応力(英語脳)は決して養われないのです。
LATが提供する「反射復唱法トレーニング」
英語脳(STEP2の「反射」)を最短で作り上げるために、私たちが提供するLAT英会話では「反射復唱法トレーニング」という特許取得済みのオリジナルメソッドを採用しています。これは、英語を身体能力として定着させるための「究極の基礎トレーニング(素振り)」です。
日本語の後に「無音のインターバル」で発話する
反射復唱法トレーニングは、スマホアプリを使って行います。以下のような形式で音声が流れます。
- 日本語:「彼女は、いいテニスの選手です。」
- (無音のインターバル) ← ここであなたが “She is a good tennis player.” と発話する
- 英語(ネイティブ):”She is a good tennis player.”
- (無音のインターバル) ← もう一度、あなたが英語を復唱する
この「無音のインターバル」は、ネイティブがそのフレーズを話すスピードに合わせて短く設定されています。この短い時間内に口を動かして発話することで、翻訳している暇を与えず、自然と英語のテンポとスピード感を体に覚え込ませることができます。
脳に定着させる「ランダム再生」と「5日間プログラム」
1番から10番までのフレーズを順番通りに繰り返すと、人間は賢いので「次はあのフレーズだ」と順番で暗記してしまいます。これでは反射力は鍛えられません。
そこでLATのアプリでは、センテンスがランダムに何度も繰り返し流れる仕組みになっています。さらに、スポーツのフォームを体に覚え込ませるのと同じように、1つのセクション(約50センテンス)を5日間かけてトレーニングします。1日目は音真似を中心に、2日目以降はランダムに流れる音声を何度も繰り返すことで、最終的には日本語を聞いた瞬間に、反射的に英語が口から飛び出すようになります。この「確実な定着」の仕組みが、2つの特許として認められています。
机に向かわない「ながらトレーニング」のすすめ
この基礎トレーニングを行う上で最も重要なコツは、「ながら」で取り組むことです。料理をしながら、部屋の掃除をしながら、散歩をしながら聞いて、口を動かしてください。
私たちは普段、日本語を話すときに「よし、今から日本語を話すぞ」と強く集中することはありません。無意識のうちに自然と言葉が出てきます。英語も同じレベルに達するためには、机に向かってノートに書き出し、真面目に集中して「勉強」してはいけません。(暗記しようとするのは逆効果です!)
「ながら」で、なんとなく無意識に英語が口から出る状態を作ることこそが、英語脳への最短ルートなのです。
英語脳を定着させるための実践環境(LATの仕組み)
基礎トレーニング(素振り)で口の筋肉を鍛えたら、次は実践トレーニング(練習試合)です。LATでは、外国人講師とのオンラインレッスンを「英語の知識を学ぶ場」ではなく、「リアリティのある練習試合の場」と位置づけています。
英語脳を本物のスキルにするために、LATでは他のスクールにはないユニークな仕組みを導入しています。
1回のレッスンは「7〜10分」の短期集中
一般的な英会話スクールは1回25分〜1時間ですが、LATはあえて7〜10分と短く設定しています。
なぜなら、LATのレッスンでは講師が一方的に話すのではなく、受講生である「あなた」が主導して即興で話し続けなければならないからです。テキストを使った音読ではなく、例えば「あなたの自宅から最寄りの郵便局までの行き方を説明してください」といった突然の質問に答えるトレーニングです。
日本語であっても、自分の意見をノンストップで話し続けるのは10分でもかなり疲労します。受け身でダラダラ過ごす25分よりも、毎日7〜10分間、脳に汗をかきながら英語をひねり出す方が、圧倒的に実践力が鍛えられます。
同じ講師による「一貫した指導」
LATでは、毎回同じ専属の外国人講師がレッスンを担当します。
ゴルフやテニスを習うとき、毎回違うコーチに習う人はいないでしょう。自分の癖や弱点を理解してくれている同じコーチから継続的に指導を受けるからこそ、効果的にフォームを修正できます。英会話もスポーツと同じです。専属コーチが伴走することで、あなたの英語脳は着実に育っていきます。
レッスンの「予約制度がない」からこそ続く
英語学習における最大の敵は「挫折」です。多くのスクールが採用している「自由予約制」は一見便利ですが、仕事で疲れた日やモチベーションが低い日に「今日はやめておこう」と予約を入れず、そのまま幽霊会員になってしまうリスクが非常に高いシステムです。
英語脳を作るには、海外に住んでいるのと同じように「毎日話さざるを得ない環境」が必要です。そのためLATでは、あえて予約制度を廃止しています。一度時間を決めたら、月曜から金曜まで毎日、決まった時間に講師からスマホに直接電話がかかってきます。朝食中だろうと関係なく電話が鳴るため、モチベーションの波に関わらず、強制的に英語を話す環境に身を置くことができます。
実際、多くの人がオンライン英会話で挫折してしまうのは、意志の問題ではなく「続く仕組み」になっていないからです。オンライン英会話が続かない理由と解決法については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ:英語は「勉強」ではなく「練習」で習得するもの
いかがでしたでしょうか。
日本人が英語を話せない理由は、能力の低さではありません。「読み書き英語(勉強)」のアプローチのまま、「話す英語(スポーツ)」を習得しようとしていたアプローチのズレが原因です。
- 英語を話すためには、日本語から翻訳するプロセスを捨てる
- 英語を英語のまま理解し、反射的に口から出す「英語脳」を作る
- そのためには「基礎トレーニング(反射復唱法)」と「実践トレーニング(毎日の会話)」の両輪を回す
英会話は、知識ではなく身体能力です。
正しいトレーニングを続ければ、自転車に乗れるようになったのと同じように、誰でも必ず「英語脳」を手に入れ、自然に英語が話せるようになります。
もし、この「身体能力として英語を身につける」というメソッドに共感し、本気で英語脳を作るトレーニングを体験してみたいと思われた方は、ぜひLAT英会話の「1週間無料体験」を試してみてください。
毎日の「反射復唱法トレーニング」と「専属講師による継続的なレッスン」が、あなたの英語の常識を覆すはずです。
この記事を書いた人
宇佐神 悟(LAT英会話 代表)
元日本IBM営業部長。自身も長年英語が話せずに苦しみ、数百万円を英語学習に費やすも全く上達せず一度は挫折。しかし45歳の時、あるきっかけで「無理やり毎日外国人と英語を話す環境」に身を置いたことで突如開眼。「英語は知識の詰め込みではなく、反復による身体能力である」という真理にたどり着く。その強烈な実体験とメソッドを体系化し、本物のスピーキング力を養成するトレーニングサービス『LAT英会話』を開発。著書に『英会話は9割が身体能力』(フォレスト出版)がある。

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