コミュニケーションのギャップ!ハイコンテクストとローコンテクスト

英語の壁にぶち当たっているあなた。
文化、発音、コミュニケーション方法・・・色々な違いがあるから戸惑い、を感じるのではないでしょうか。
本日は、その見えない壁を、少しでも可視化しようと思います。

子供が「学校の授業がわからなかった」と言った時、なんて言う?

皆さんは、ご自分のお子さんや親せきの子どもが、「今日の学校の授業はわからなかった」
最近、授業についていけないんだ。」と言って帰ってきたら、なんと声を掛けますか?
「先生の話ちゃんと聞いていたの?」「集中して授業に参加していたの?」という声をかける方が多いのではないでしょうか?

この声かけ、日本では違和感なく納得頂ける方が多いかと思いますが、実は欧米では全くことなる声かけが行われるようです。
「わからなかったのになんでその時に先生に聞かなかったの?」「わかりませんって言ったの?」と、
子どもに聞くみたいなんです。

小さな違いに見えるかもしれませんが、ここには文化的な背景と、大きなコミュニケーションの
ギャップ
があるのです。

文化の違いは教育スタイルの違い?

そもそも文化というのはどのように構成されるのでしょうか?
長年のその国、土地での「当たり前」「良しとされるもの」などを総じたものが文化ですので、
歴史にヒントがあります。

中国を中心とする東洋を代表する思想家の一人に、孔子がいます。
孔子は多くの弟子を連れ旅をしたと言われておりますが、
基本的に孔子が論じて、弟子たちがそれに耳を傾けるというのが主なスタイルです。

すなわち、先生の役割は、生徒の思考を育む知識や経験を十分に付与することであり、生徒の役割は先生からの知識や情報を受け取り記憶することなのです。

その役割を是とした際、
優等生とは謙虚な態度で勤勉で協調性があり、記憶力に優れた人物像であると言えます。

ですので、前の例にあげた授業が分からなかったと言う子どもに対しては「先生の話ちゃんた聞いていたの?」と、生徒である子ども、すなわち”聞き手”に責任があるという声かけになります。

また、協調性を重んじるため、授業中に質問をすることは、周りの迷惑になってしまうかもしれないので、なるべく授業の進行の邪魔をしないようにするというのも、東洋文化の特徴です。

一方で、西洋の思想家にソクラテスがいますが、彼の教育スタイルは孔子のそれとは全く異なります。
一つのテーマに先生と生徒はともに向き合うスタイルで、この場合、先生の役割はテーマを設定して、
生徒の思想を刺激し、意見を発表させ、テーマの理解を深めさせることであり、
生徒の役割は自分の意見を積極的に発表して、テーマへの理解を深めることに貢献することです。


そうすると、こちらの優等生には、入念な事前準備の上で自ら発言する積極性を持ち、反論への柔軟な対応力を持つ人物像が浮かび上がってきます。

ですので、わからないことはその場で聞く、それがテーマへの理解を深めることに繋がり、周りにも貢献することになります。日本でよく見られる授業の後に先生に質問しに行く行為というのは、”みんなの学ぶ機会を奪う”という認識になってしまいます。

上記の通り、各地域を代表するような、偉大な先生の教育スタイルがそもそも異なっていたのです。
そのスタイルは現代の教育システムや優等生像に大きく影響しており、子どもが「わからない」と言ったときの反応の差に繋がっているのですね。

ハイコンテクストとローコンテクスト

皆さんはハイコンテクスト、ローコンテクストという言葉を耳にしたことはありますか?
ハイコンテクストというのは行間を読むことを求められるコミュニケーション方式であり、 
一方ローコンテクストとは、主張をハッキリと言語化することが求められるコミュニケーションです。

言わずもがな、日本語はハイコンテクストで、英語はローコンテクストです。
日本語の他にも韓国語、タイ語、中国語、インドネシア語等がハイコンテクストに分類されます。
一方で、ドイツ語、オランダ語、イスラエル語等はローコンテクストに分類されます。

ハイコンテクストは、
・意思疎通の責任は、聞き手側・受け手側にある
・求められるロジック構成は、起承転結

ローコンテクストは、
・意思疎通の責任は、話し手側にある
・求められるロジック構成は、CRC(結論、理由、結論)

という、それぞれの特徴があります。
この二つのコミュニケーションの差異が、実は私たちの英語学習のハードルを上げているんです。

英語学習のハードルを上げてしまう

我々は何かを説明しようと、日本語を英語に変換しようとした際に下記の2つの難しさに直面します。
1. そもそも英語に存在しない日本語が多くあり、戸惑ってしまう
日本語にあって、英語にはない言葉は、実は結構あります。
それも、多用する言葉に限って直訳できない‥‥。
(ご参照:LATブログ「よろしくお願いします」を英語で言うと?? – スピーキング特化型オンライン英会話 (lat-international.com)
それもそのはず、ローコンテクストの英語において、「よろしくお願いします」のような
「行間読んでね」ワードは成立しないのですから。

2. 起承転結で説明しようとすると、結論に到達するまでに、説明しないといけないことが多すぎて
心が折れる。言いたいことがあるけど、ズバッと言えないまま話が流れていく・・・。
そんな経験あるのではないでしょうか?
おそらく日本人の中には、起承転結で話す教育を受けてきており、いきなり自分の意見を
言えといわれたところで、そこに至るまでの説明をすべきだと感じますし、
反感を買わないためにも言い訳的な説明を付けたい気持ちに駆られますよね。

グループ型英会話スクールで起きがちなこと

ここまでお読みいただいた方にはご理解いただけるかと思いますが、
孔子型の教育を受けてきた私たちが英会話スクールに行っても、相当に意識をしない限り、
聞く時間が長くなり、インタラクティブなコミュニケーションは発生しづらいのです。

周りも孔子型教育を受けてきた生徒さんだとすると、あなたが頑張って話しかけても、
なかなかコミュニケーションは続かないケースが多いことは容易に想像出来るかと思います。

まとめ

コミュニケーションギャップが生じる要因として、教育スタイルの違いや、ハイコンテクストとローコンテクストの違いを見ていきましたが、英語習得の壁は少しでも乗り越えられそうですか?

私たち日本人が受けてきた教育スタイルでは、授業中に発言することがあまり求められていないため、英語を話せるようになるにはなかなか難しいですよね。

でも、言語の違いを見ると、英語はストレートに結論を!実はそんなに難しく考えずに、シンプルな表現を覚えてしまえば簡単なのです。

孔子型教育をまじめに受けてきたあなた!
英語習得には、多少強引にでも、発言せざるを得ない機会が必要だという点がご理解いただけたかと思います。

LATでは、平日毎日、決まった時間に講師から電話がかかってきて、7分間だけ、強制的に会話する必要があります。ハイコンテクストの日本語を扱う私たち日本人が、ローコンテクストである英語を学ぶ際には、この強制力のある時間の積み重ねが大切です。

「わからないことがあっても授業中に質問することができない」「先生が一方的に話して授業が終わる」・・・

そんなジレンマを解決する、強制会話型レッスンLATでは、反射復唱法トレーニングで基本的な表現を体に叩き込んでいただき、平日毎日のレッスンで実践の場をご提供いたします。

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